JCAAについて

メッセージ

理事長より

理事長

理事長 北川 慎介

日本商事仲裁協会(JCAA)は、1950年に日本商工会議所内に国際商事仲裁委員会として設立されました。1953年に法人化され、本年で70年目を迎えます。設立以来、国際商事仲裁の促進と発展を図り、日本企業の国際取引における紛争解決を支援することを目的として、紛争解決に関する情報の提供、仲裁・調停の手続管理を行ってまいりました。

現在、わが国では官民一丸となって国際仲裁の案件の拡大に努めています。外弁法や仲裁法が改正され、例えば、仲裁代理をする外国弁護士の範囲が拡大されたり、一定の要件を満たす場合には、外国語で作成された仲裁判断書等について日本語による翻訳文の添付を省略することが可能になるなど、わが国の仲裁制度の更なる国際化に向けて様々な取り組みが行われているところです。

当協会も、国際仲裁制度の一層の利便性を図るためにオンライン仲裁や迅速仲裁の活用を積極的に進め、日本企業の利用を促すように努めております。また、国内外に向けての日本仲裁・JCAA仲裁の利用促進のためのセミナー等による情報発信にも取り組んでいます。

当協会のもう一つの事業の柱であるカルネ事業は、おかげさまで輸出入に携わる皆様にはすでに広く周知されておりますが、利用される皆様の更なる利便性の向上のため、カルネの申請がオンラインで可能となるシステムを導入しております。これにより営業時間にとらわれず、どこからでもカルネを申請いただけるようになりました。またカルネ申請がオンライン申請になったことに併せてサービス向上の観点から発給期間を短縮しておりますので、益々の御活用をお待ちしております。

日本商事仲裁協会は、これからも皆様により一層ご満足いただけるサービスの提供を目指し、役職員一丸となって全力を尽くす所存でございます。皆様には、当協会への変わりないご支援を賜りますよう心からお願い申し上げます。

仲裁・調停担当執行理事より

特定業務執行理事

仲裁・調停担当執行理事
山本 和彦

JCAAは、ビジネス界の様々なニーズに対応するために、2019年に仲裁規則を大幅に改正し、2021年にも改正をして、重厚長大でコストがかかる英米法系の仲裁実務に対して、簡潔で合理的な時間と費用での仲裁手続を提供しています。JCAAは3つの仲裁規則を有しています。

1つめの『UNCITRAL仲裁規則』は国連が作った国際標準というべき規則であり、これによる仲裁をJCAAがサポートします。2つめの『商事仲裁規則』は、手続上問題となり得る点について丁寧な定めを置き、仲裁人・代理人・当事者の間での理解の不一致による混乱を防止し、円滑な仲裁手続を実現できるようにするものです。3つめの『インタラクティヴ仲裁規則』は、仲裁人による心証開示を義務化し、かつ、仲裁人報償金を請求額に応じた定額制とすることにより、当事者にとって予測可能性が高い仲裁手続を提供しようとするものです。

他方、調停は事前合意がなくても、紛争発生後に合意して、試みるに値する紛争解決方法です。調停はうまく行けば、極めて短時間かつ低廉なコストで和解に至ることができる有効な紛争解決方法です。
2020年に大幅な改正をした『商事調停規則』は、様々な工夫ができることを明示し、当事者にとって相応しいと考えられる手続を採用する合意をしてもらうことによって、事案に適合した合理的な紛争解決を可能とするものです。

仲裁判断はニューヨーク条約によって世界のほとんどの国で強制執行が可能であり、更に、現在予定されている法改正では、仲裁手続における暫定的保全措置や調停合意も将来的には強制執行ができるようになります。その意味で、裁判に比較して簡易迅速かつ実効的な紛争解決方法として、契約の中で予め仲裁合意や調停合意の条項を設けることをぜひご検討いただきたいと思います。

外部協力弁護士(仲裁ADR広報担当)より

Miriam Rose Ivan L. Pereira

Miriam Rose Ivan L. Pereira

JCAAには、日本において仲裁および調停事件を管理してきた長い実績があります。裁判外紛争解決手続(「ADR」)に対する認識・認知度・優先傾向が高まる中、JCAAは、国内外のあらゆる規模の企業にとって、日本の主力的紛争解決センターとなる準備ができています。
私は、ステークホルダーの皆様のご協力とご支援を賜り、JCAAのADRサービスの推進に貢献できることを大変光栄に思います。

日本には、国際的に信頼されたきちんとした司法制度と安定した政治体制があり、また、素晴らしいインフラも整備されており、国際商事紛争解決のための理想的な場です。そういったポテンシャルを活かし、JCAAの更なる発展と国際化を支援することができることを私は大変光栄に思っております。

山川亜紀子

山川亜紀子

JCAAは長い歴史と実績を有する日本を代表する仲裁機関です。仲裁地としての日本も、世界水準の仲裁法が整備され、インフラも整っており、食事も美味しく、紛争解決の場として最適です。国内外の企業の皆様には、国際商事紛争の解決の場として、是非JCAAを仲裁機関とし、仲裁地を日本とすることをご検討いただきたいです。微力ながらJCAAの魅力を広くお伝えするお手伝いができて大変うれしく思います。

※外部協力弁護士は、非常勤でJCAAの広報活動を支援しており、現在所属しているそれぞれの法律事務所での弁護士業務を引き続きフルタイムで継続しています。いずれの弁護士も、JCAAの仲裁及び調停事件の手続管理には一切関与せず、それらに関する情報にも接することはありません。JCAAの仲裁ADR広報担当としての活動は、弁護士の個人としての活動であり、所属する法律事務所としての活動ではありません。

※二瓶ひろ子弁護士は任期満了(任期:2019年10月2日~2021年9月30日)により、JCAAの仲裁ADR広報担当を退任しました。