仲裁

数字で見るJCAA

申立件数

2019年から2023年までの申立て件数は計70件であり、このうち、88%は、いずれかの当事者が外国企業又外国企業の日本子会社である事件(以下、本統計においては「国際仲裁事件」)です。

2019年から2023年までに、インタラクティヴ仲裁規則に基づく申立てが1件ありました。また、同じく2019年から2023年までに、緊急仲裁手続の申立てが5件、迅速仲裁手続が適用された事件が22件ありました。

暦年 申立件数
2019 9
2020 18
2021 15
2022 19
2023 9

当事者の国籍

2019年から2023年までに申立てられた仲裁事件について、最も多く当事者となった上位5カ国・地域(日本を除く)は、中国、韓国、米国、台湾とベトナムが同数です。また、当事者の国・地域は22に及びます。

グラフ:当事者の国籍

グラフ:当事者の国籍
申立人 被申立人 合計
アメリカ大陸
1 イギリス領バージン諸島 1 0 1
2 チリ 0 2 2
3 米国 4 3 7
アジア・太平洋
4 中国* 9 14 23
5 インド 2 0 2
6 インドネシア 1 1 2
7 日本 46 41 87
8 レバノン 1 1 2
9 マレーシア 1 1 2
10 シンガポール 1 0 1
11 大韓民国 1 11 12
12 台湾 0 5 5
13 タイ 0 1 1
14 アラブ首長国連邦 1 0 1
15 ベトナム 1 4 5
ヨーロッパ
16 キプロス 1 0 1
17 ドイツ 0 1 1
18 イタリア 1 1 2
19 スイス 1 0 1
20 ルクセンブルク 0 1 1
21 オランダ 1 0 1
22 英国 0 2 2

*中国メインランドが13(申立人: 4、被申立人: 9)、香港が10(申立人: 5、被申立人: 5)

仲裁人・緊急仲裁人の国籍

2019年から2023年の間に、国際仲裁事件において、88名の仲裁人が選任され、そのうちの43%が外国籍の仲裁人です。その国籍は下記のとおり12カ国に及びます。

米国、シンガポール、オーストラリア、オーストリア、英国、中国、フランス、インド、カナダ、韓国、ドイツ、フィリピン

2019年から2023年の間に、国際事件で緊急仲裁人に選任された4名は全員外国籍(オーストラリア2名、英国、台湾)、1名は日本国籍です。

グラフ:仲裁人の国籍

手続言語

2019年から2023年に申し立てられた国際仲裁事件のうち手続言語が英語の割合は51%であり、中国語の事件も取り扱っています。

当事者が日本語を手続言語として選択する事例としては、契約書が日本語で作成される場合が挙げられます。

グラフ:手続言語

紛争金額

JCAAはきわめて幅広い紛争を取り扱っています。2014年から2023年に終結した仲裁事件において、紛争金額が3億円以下の事件が全体の54%5000万円以下の事件が全体の24%です。紛争金額の最低額は170万円です。他方、紛争金額の最高額である約8000億円を含め紛争金額が100億円を超える複雑案件も多く取り扱っています。

グラフ:紛争金額

手続期間

2014年から2023年の間に仲裁判断で終結した仲裁事件において、平均手続期間は12か月です。(仲裁廷成立日から仲裁判断日まで)。

グラフ:手続期間

2019年から2023年の間に終結した仲裁事件のうち37%は、仲裁手続開始後に、当事者間の和解等を理由に仲裁申立てが取り下げられています。また、11%の事件で、和解に基づく仲裁判断が下されています。

グラフ:手続期間

承認・執行

約9割を超える紛争がJCAAの仲裁判断の内容に沿って解決されており、特に、2010年以降JCAA仲裁判断の執行を外国裁判所が拒絶する確定判断を下した事件はありません。

グラフ:和解について

オンライン技術の活用

JCAA仲裁事件の多くで、オンライン技術を活用した会合(証人尋問を含む)が開催されています。オンライン会合の割合は、コロナ禍が明けた2023年においても、5割(うち完全リモートが約4割強)を超えています。

グラフ:オンライン技術の活用