仲裁

仲裁をお勧めする理由

仲裁を理解する上での重要な基本用語、仲裁手続に適用されるルールなど、仲裁の利用にあたり知っておきたい基礎知識につきましては、項目ごとに掲載した動画をご覧ください。

裁判を選択する前に

仲裁は、当事者が、「裁判官」にあたる仲裁人を選んで、紛争の解決を委ねる紛争解決手続です(仲裁法第2条第1項)。

当事者間で紛争が生じた場合に、紛争を最終的に解決する手段としては「裁判」を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、とりわけ国際取引では、スタンダードな紛争解決方法は仲裁と考えられています。お互いの当事者にとって、裁判による場合は現地の公務員である裁判官による訴訟手続に従うことになり、現地に出向いて手続を行う必要から経済的・時間的・心理的な負担が大きく、また相手国の司法制度が信頼性に乏しい場合は中立性も保証されないリスクが存在するからです。これに対して、仲裁には、紛争を最終的に解決する上で、裁判にはない多くのメリットがあります。また、これらのメリットの一部は、国内取引で生じる紛争の解決手段として仲裁の利用可能性を検討する上でも重要なポイントです。

仲裁のメリット ー裁判と比較してー

仲裁判断は国を超える

仲裁判断は、外国仲裁判断の承認及び執行に関する条約(通称、ニューヨーク条約)により、160を超える締約国の裁判所を通じて、その国の裁判所の確定判決と同一の効力を有するものとして取り扱われ、その内容を強制執行することができます。これに対して裁判では、多くの場合、一方の国の裁判所の判決が相手国の裁判所で承認・執行される保証はありません。

JCAA仲裁判断の承認・執行状況は実績をご覧ください。

紛争を迅速に解決できる

裁判と異なり、仲裁は控訴や上告という制度がない一審制であることや、仲裁機関が審理の進行を管理することが多いので、迅速な紛争解決が期待できます。またその結果、紛争解決に必要な費用も抑えられることが多いので、比較的小規模な紛争事案でも「費用倒れ」の懸念を防ぐことができます。JCAAでは、小規模な事案については、簡易かつスピーディーな迅速仲裁手続により、時間と費用を抑えた紛争解決を行っています。

JCAAの迅速仲裁手続の詳細は実績模擬国際仲裁セミナーをご覧ください。

当事者の事情に即して柔軟に手続を進められる

手続の進め方の詳細は、事案ごとに、仲裁人と当事者が協議して決めます。これにより、事案の性格や当事者のニーズに即して、透明性が高く、無駄を省いたオーダーメイド型の手続進行が可能となります。例えば、ビデオ会議システム等のオンライン技術を駆使した手続の採用は、費用や時間面での当事者の負担を大幅に節約することができるほか、コロナ禍における紛争解決の有力な手段として再評価されています。

JCAA仲裁におけるオンライン会合の割合は実績をご覧ください。

紛争の事実やその内容の詳細が意図せず外部に漏れることを防ぐことができる

公開が原則の裁判とは異なり、仲裁手続や仲裁判断は非公開で行われるので、紛争の事実やその内容あるいは仲裁判断の詳細が当事者の意思に反して外部に漏れ、不測の不利益を被る心配がありません。

「裁判官」にあたる仲裁人を当事者が選べる

裁判では、事案を担当する裁判官の資質や人事異動に伴う担当裁判官の突然の交代について当事者には何ら発言権はありませんが、仲裁なら、事案の特性に応じた専門性や個々人のこれまでの実績を踏まえて、当事者自らが仲裁人を選ぶことができます。

JCAA仲裁での仲裁人の選任方法については仲裁手続の流れを、また、JCAAが提供する仲裁人候補者リストと仲裁人経験者リストは仲裁人候補者をご覧ください。

仲裁を利用する上で押さえておきたい大切なポイント

仲裁は、仲裁を利用するという当事者双方の合意(仲裁合意)のもとで進める紛争解決手続です。

紛争発生後であっても、当事者双方が仲裁合意をすれば仲裁手続を進めることができますが、紛争が発生してからでは、そのような合意をすることは非常に難しいのが現状です。2017年~2021年に申立てがあったJCAA仲裁事件によると、その割合は4%にしか過ぎません。通常は、予め契約の段階で、「紛争を、裁判ではなく仲裁で最終的に解決すること」を当事者間で合意しておくことが重要です。

また、その際、当協会(JCAA)に仲裁を申し立てるには、仲裁機関として当協会(JCAA)を指定することを、当事者間で合意しておくことが重要です。

詳細は、仲裁条項の書き方をご覧ください。